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2015年11月 2日 (月)

今日の一冊

作・絵:ユリ・シュルヴィッツで訳が瀬田 貞二さんです。

音一つ聞こえない,静まりかえった夜明け前の湖。まだ暗い中,湖畔の木の下ではおじいさんと孫の少年が毛布にくるまり寝ています。空には月一つ。岩や木の葉に光を浴びせ,あたりを見守ります。静寂の湖に,やがてさざなみが立ち,もやがこもり,こうもり,蛙,鳥たちが目を覚ましました。おじいさんと孫は起き,ボートで湖を・・・となっていきます。

31自然の静寂さと雄大さが,作品の中で体感できる美しい絵本です。水彩画で描かれたそれぞれのページからは,空気,音,風,光の微妙な変化が感じ取れ,1ページごとの余韻が心に染み入ってきます。言葉はほんのわずかで絵がすべてを語る分,五感すべてに訴えるインパクトを持ち合わせた作品とも言えます。  唐詩「漁翁」(詩人柳宗元作)をもとにしたというモチーフは、東洋の文芸・美術に造詣の深い作者の感性をいかんなく表現。夜明けを迎え、ほんの少しずつ表れる変化が静かに的確に描写され、湖での夜明けを体験したことのない人でもその素晴らしさが心で味わえることでしょう。

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