今日の一冊
宮沢賢治の書いた「月夜のでんしんばしら」を紹介します。あらすじは,ある夜,恭一少年は鉄道線路の横を歩いていました。すると,彼は,信じられない光景に出くわします。 「ドッテテ,ドッテテ,ドッテテド」というリズミカルな歌が聞こえたきたかと思うと,線路に沿って立つ何千本と並ぶ電信柱が一斉に行進を始めたのです。様々な姿形の電信柱が通り過ぎる中,やがて彼らに号令をかける老人が歩いてきました。
書き出しのところで私の好きなところは,「九日の月がそらにかかっていました。そしてうろこ雲が空いっぱいでした。うろこぐもはみんな,もう月のひかりがはらわたの底までもしみとおってよろよろするというふうでした。その雲のすきまからときどき冷たい星がぴっかりぴっかり顔をだしました。」という,いかにも宮沢賢治という部分が表現がきれいで大好きです。
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