今日の一冊
「きんのことり」あまん きみこ作 荒井 良二絵という本です。
小さな北風の子が,生まれて始めての旅にでました。出発の時,お母さんが「北風は南風のように,動物や人間に喜ばれない。でも,北風も立派な風なんだからね」と言われて旅立ったのですが,やはり皆に敬遠され,心を痛めていました。そんな時,一本のいちょうが呼んだのです。「私の葉っぱ全部落としておくれ,根元で寒さに震える子猫を温めてあげたいから,手伝って」と。いちょうを気遣う北風の子と,子猫を気遣ういちょうの木。そこには自分を超えた大きな愛が,存在していました。
このお話の中で始めての旅をする北風は,人生の荒波に飛び出したこどもそのものです。そしていちょうの木はといえば,こどもが活躍できる場を見出し,大きな愛のお手本を見せてあげられる大人です。心を描いた作品として長年小学校の道徳の副読本としても、愛された作品です。
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